被写体のドラマを写し出し、見る人が共鳴する写真を撮る

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表現したいものを自由に撮る楽しみ

image_02.jpg 四季折々の風景やさんざめく街並み、そして生き生きとした人の表情など、さまざまな被写体が輝く瞬間にカメラを向けて、作品に収める熊本大学写真部の皆さん。現在部員は1年6人、2年9人。時折顔を出す3~4年の先輩たちを交えながら、写真に向き合い、作品を撮り続けています。
部長の文学部2年?竹村南洋さんは、一人一人が撮りたいものや表現したいものを重んじて、自由に撮影を楽しめる部活のスタイルを大切にしてきました。「普段からカメラを持ち歩き、“その瞬間”を納める人や作品のテーマを決めて撮りだめていく人など、撮影のスタイルはみんな違います。春に1回と紫熊祭の年に2回写真展を行っているんですよ。展示作品を決めるために、それぞれの作品を持ち寄って、みんなで意見を交換すると写真に対する幅広い考えがあることが分かりますね」。
竹村さんが写真部の門を叩いたのは、専攻している考古学の記録写真を撮影する際に役立てるためだったと、当時を振り返ります。「一眼レフカメラを初めて手にした時には、操作するのも難しいし、部室にあるニコンやペンタックスのいろんなカメラも全部同じに見えていました。フィルムカメラもデジタルカメラも同じに見えるくらいの初心者で、初めて自分が撮影した写真を手にしたときは、うれしかったですね」。
現在、部費や寄贈されたカメラは全部で10台。それぞれカメラの好みも違うため、個人で持っているカメラもありますが、精密機械なのでメンテナンスは欠かせません。デジタル全盛の時代ですが、フィルムカメラにはフィルムカメラの良さがある。それを教えてくれたのも写真部の先輩たちだったと竹村さんは語ります。

撮影意図が伝わる作品を作りたい

image_03.jpg 部室の半分のスペースには、暗室があり、部員たちは自分たちでネガフィルムをプリントし、作品に仕上げています。入部してすぐに先輩に教えられるのが、その“焼き付け”という技術。身に付ければネガフィルムを現像し、表現したい世界観を自分の手で再現することができるため、新入部員は暗室の壁に貼られたメモ書きや先輩の作業を思い起こしつつ、失敗しながらも覚えていきます。
「“焼き付け”とは、フ